ここから本文です

現在位置は、ホームの中の医療情報です。

医療情報 Information

「はやぶさ2」のカメラの話 〜‘観察’は最大の武器、‘実験’は最高の能力アップ効果〜


診察室で、Aさんから小惑星探査機の「はやぶさ2」のカメラの話を聞きました。そのカメラは作るときに‘絶対壊れないカメラ’ではなく‘一部が壊れても目的が達成できるカメラ’を目指したそうです。Aさんは「私もそのカメラのように、症状が出て、それに対応して目的が達成できるような人になっていきたい」と話されました。
Aさんはこんな話もしました。
「小さいときから雲などを観察するのが好き。
だから、そうだ!自分に起きる症状も観察してみよう!
と思ったら、いろいろ気づくことがあった。気づけるようになると、もっと観察してみたいと思うようになった」。
そして観察ができるようになったAさんは、こんなことも話されました。
「観察ができると、実験も試したくなった。今まで心配で、していなかったことも、どんな反応が起きるのかな?と、ちょっとワクワクするようになってきた。そしてどんな工夫をしたら症状が減るのか?減らないのか?も試してみた」。
これまで、ご主人の転勤で頻繁に転居を繰り返されていたAさん。ある日、遠くに引っ越しすることになりました。
「今まで引っ越しは不安なことでいっぱいだった。でも今回は引っ越し業者の手配など初めてのこともチャレンジしてみた。
ドキドキしたけどやってみたら意外とできた。引っ越し先の不安もないわけではないが今はなんとかいけると思っている」。
患者さんは誰も、困っている症状はゼロになって
欲しいと願います。その願いは治療者も同じです。
しかし、心療内科で扱う症状は、風邪のように治ったら終わりとはいかないことがほとんどです。
不安やストレスで生じる症状を持っていれば、人生にはときどき不安やストレスの強まる出来事があるため、その都度症状が起きるかもしれません。
私にとって「はやぶさ2」のカメラの話は、「どんなアクシデントが待っているかわからない。
でも対処ができるようになって、目的に向かって進めるようになろう!」というメッセージのように感じました。
そして、Aさんに「‘観察’は最大の武器で、‘実験’は最高の能力アップ効果がある」ということを教えてもらいました。
今回、Aさんに電話し、この原稿の了解をもらいました。
そのときの話です。「動いてみるほうが返って不安が減るとわかった。引っ越ししてからも大丈夫でした」






記事一覧

  • 医師紹介
  • 診療内容
  • 医療情報
  • 診療の流れ・Q&A