このページの先頭です
ここから本文です

症例2 腰痛

■腰痛
腰痛は、『立って歩く人間の宿命』と言われ、高齢化社会になった昨今増加傾向にあり、わが国だけでも腰痛人口3000万と言われます。腰の痛みがあって、レントゲン撮影をしても異常が発見できず、内臓疾患もないものを総称して腰痛症といいます。
その他、よくみられる腰痛には、次のようなものがあります。
仙腸関節症は、骨盤のゆがみが原因でおこる腰痛です。
腰部脊柱管狭窄症は、神経を入れている管が狭くなり、神経を圧迫して起こる腰痛です。
変形性脊椎症は、骨トゲ(骨刺)が神経を圧迫し、炎症を起こします(高齢者に多い)。
椎間板ヘルニアは、髄核が飛び出して、神経を圧迫します(働き盛りの男性に多い)。
骨粗鬆症は、骨の量が減って弱く、もろくなっています(年輩の女性に多くみられます)。


■腰痛の治療
1.薬物療法
症状に応じて、消炎鎮痛薬・筋弛緩薬などの内服薬、貼り薬や塗り薬、漢方薬などを処方します。
2.リハビリテーション
腰部の圧痛点・経穴にレーザー照射、キセノン光による温熱療法、腰背部の筋肉を刺激する高周波治療などの物理療法、理学療法士・作業療法士による理学療法・作業療法などが効果的です。
3.神経ブロック療法(当院における中心となる治療法)
神経ブロックは、痛みを遮断すると同時に交感神経をブロックし、痛みの信号が脊髄神経に伝わらないようにするだけでなく、血管を拡張させて、痛みの悪循環を改善します。

☆トリガーポイント注射
圧痛点(痛みの引き金の場所=トリガーポンイト)が明確な場合は、この場所に局所麻酔薬を注射することにより、一時的に痛みを感じなくし、脳への痛みの信号を遮断することで、痛みによる交感神経の興奮を抑え、血流を改善・増加させ、改善された血流で、痛み物質を洗い流し、筋肉の緊張を和らげます。
☆硬膜外ブロック
トリガーポイント注射で効果があまりみられない場合、硬膜外ブロックを行います。
硬膜外ブロックは、硬膜外腔という脊髄の外にある空間に局所麻酔薬を注入し、脊髄から体中に張り巡らされた末梢神経を一時的に遮断(ブロック)して、痛みをとりのぞき、血液の循環を改善することにより、病気を治す治療法です。硬膜外ブロックは、特に血管を開く作用が顕著で、内服薬や静脈注射では得られない強力な作用があります。硬膜外ブロックは、血流を改善させることにより、弱っている神経へ酸素や栄養を与え、神経が治るのを助けます。局所麻酔薬の効果は通常約2時間くらいですが、硬膜外ブロックで神経を一時的に休ませることにより、痛みを慢性化させる仕組みである「痛みの悪循環」を遮断するため、効果が持続します。

4.徒手療法
関節の動きを良くする関節アプローチ療法・関節リリース療法などの東洋医学も効果的です。
私たちの体の関節は日常生活の中で意外と簡単に少しずつ「ずれ」が生じ、それが原因で膝や股関節や腰や肩などいろいろな関節の障害を起こし、「痛み」を引き起こすことが医学的に証明されています。関節アプローチ療法・関節リリース療法は、それら関節の動きを正常化させることにより痛みを軽減させる治療法です。手技により、「痛み」の原因となっている関節を前方や上方にゆっくり押し出すことにより、硬くなり滑らかに動かなくなっている関節を正常な状態に回復させ、関節の「ずれ」が原因で起こる痛み・痺れ・関節の運動障害を改善します。

■「腰痛」の症例1
①来院までの経緯 (56歳 女性)
 3年前、介護ヘルパーの仕事中、腰を捻りぎっくり腰になった。腰に激痛が発生し、整形外科を受診し、レントゲン上、特に異常なく鎮痛剤と湿布を処方されたが、その後も腰の痛みはとれず、牽引や整体など色々試してきたが、改善が見られず、最近また腰に強い痛みを感じ動けなくなった。
②治療経過
 初診時は、ゆっくり歩くことしか出来ずイスに座るのも辛そうで「仕事も休めないのでこの激痛を何とかして欲しい」と切実な思いを訴えられていました。硬膜外ブロック注射を週1回約1ヶ月間実施した結果、嘘のように腰の激痛や長年の重だるさがなくなり、これで仕事も続けれると喜んで頂きました。
③考察
 ぎっくり腰は正しい初期治療を誤ってしまうと慢性の腰痛症になりかねません。急性腰痛の初期治療には椎間関節ブロックやトリガーポイント注射が非常に有効で、仙腸関節の捻れを取り除くAKA療法も効果的です。慢性化してしまった腰痛には硬膜外ブロック注射が大きな効果を示します。“長年の腰痛が約1~2ヶ月の硬膜外ブロック治療で治る”という信じがたい症例がペインクリニックではそう珍しい話ではありません。

■「腰痛」の症例2
①来院までの経緯 (68歳 男性)
 歴史散策が趣味だったが、5年前から腰が痛く下肢のしびれがあり、整形外科で骨に異常なく坐骨神経痛と診断された。鎮痛剤処方で痛みは改善せず、3年前10分歩くと足が痛み歩けない間欠跛行(かんけつはこう)の症状も加わり、総合病院で腰部脊柱管狭窄症と診断された。通院したが症状に変化なく手術を勧められ迷っていたところ、家族の紹介で来院された。
5年間整骨院やカイロ等どこに行っても症状が改善せず、医療に対する不信感もあり趣味も出来ず気力もなくされていた。
②治療経過
 初診時、硬膜外ブロック注射と関節アプローチ療法・関節リリース療法を併用し、どんな治療でも治らないのではという不安を和らげるため当院心療内科のカウンセリングも同時に行いながら、2ヶ月治療を実施したところどこに行っても改善しなかった腰の痛みとしびれが軽快したと喜んで頂き、趣味復帰に向け継続治療されています。
③考察
 慢性の腰痛は、レントゲンで関節異常がわからず、骨の変性と痛みの原因も必ずしも一致しないため、画像診断主体の治療では効果がみられないことが多く、慢性痛によくみられる痛みの悪循環を断ち切る硬膜外ブロック療法や関節機能を矯正する関節アプローチ療法・関節リリース療法が非常に有効です。又、痛みと心の関係は密接で痛みに大きく影響されている心を含めた治療が必要となります。

Kawata Pain Clinic
痛みの診療所
  • トップページ
  • 院長挨拶
  • 病院理念・特色
  • ペインクリニックとは
  • 診療内容
  • 初診の方へ
  • 施設紹介
  • Q&A
  • 病院からのためになる情報です かわたペインクリニック通信
  • かわたペインクリニック 心療内科
  • かわたペインクリニック公式ブログサイト
  • 医療連携室のご案内 医療機関の方へ
  • かわたペインクリニック求人情報

医療法人 良仁会
かわたペインクリニック


〒631-0036
奈良市学園北1-9-1
パラディII 5F
かわたペインクリニック アクセスマップ
拡大して見る

お問合せ

[診療時間]
午前/9:00〜12:00
午後/17:00〜19:30
[休診日]
日曜・祝日、水曜、
土曜午後、
夏季・年末年始